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日本国籍を捨てる方法

2017年 1月20日 11:53 PM

社会 日本人

日本の皆さんあけましておめでとございます。

前回は「カナダから離婚届を出す方法」を書いたし、今回は日本国籍を捨てる方法でも書きましょうかね。katakatakata…

逃げるは恥だが役に立つの

超がつく長時間労働と意味不明な同調圧力。だいたいなぜ日本ではこんなに長い時間働くことがデフォルトとなっているのだろう。

平日は早朝からベッドに入る寸前まで会社のための時間。会社はやりたい放題だ。そもそも日本では「◯◯放題」と呼ばれる定額制が人気。「使い放題」「飲み放題」「食べ放題」。
これと同じ論理なのか、いつからか会社は毎月定額払うことで社員の時間を「使い放題」にした。 仕事が定時の5時に終わるのが都市伝説と呼ばれる国。休日出勤がデフォルトの国。16分に一回の割合で自殺が起きる国。こんな国嫌になったら捨ててしまえばいい。

僕はこのブログで何の自覚もなしに日本のことをボロクソに書くことがよくある。まぁここでは好き勝手に思ったことを書くようにしてるんだけどさ。

最近、あまりに度が過ぎたのか「巨神さんは 日本が嫌いなんですか σ(^_^;)? 」とか「そんなに言うなら国籍捨てたらどうです?」ってメッセージが心地よい頻度で届くようになってきた。こういうの読むと心踊っちゃう。

もう、捨てられるんなら捨ててみようと思った。

それに、世界的にみても合法的に国籍放棄できる国って貴重だ。自分のこと棚に上げて言うけど日本は国籍を一体なんだと思ってんだろね。

まぁいいや。

日本国籍を捨てる方法

モントリオールにある日本国総領事館のあるビル。ダウンタウンの真ん中にあるのでアクセスは容易。

国籍喪失届

さて、実は2015年にも一度日本国籍を捨てようと思ったことがあったのだが(過去記事:外国人と参政権と市民権)、その時は方策がわからずじまいで実はウヤムヤにした。しといた。
しかしその後ですね、読者の一人から情報提供があって、どうやら日本領事館に行けば国籍を捨てるための手続きができるとのこと。「国籍喪失届」という書類を提出すれば良いらしい。

高層ビル「国籍喪失届」在モントリオール日本領事館で貰ってきた。無料。

この国籍喪失届という用紙、その存在自体が驚きだが、外国籍(市民権)を取得した日本人が日本国籍の放棄を可能にする魔法の書類である。

多重国籍を受け入れられない日本

というのも、日本は多重国籍を認めていない今時貴重な「先進」工業国なので、仮に日本人である君が自己の意志により外国籍を取得した場合、取得と同時に日本国籍を失うので、国籍の喪失を届け出る必要があるのだ。
ただ実のところ、外国籍を取得したとしても国と国ではお互いに一国民のことについて告げ口し合う文化も義務も義理もないので、自ら「外国籍取得しましたー。」って素直にお国に伝えたりしない限り、多重国籍がバレることはまずない。(日本入国時に外国のパスポート使ったらバレるかな?)
そのためか、海外移住者が居住国の国籍(市民権)を取得したあとでも、それを自分の国に伝えることなくしれっとこれまで通りの生活を続けていることも多いと聞く。ちなみにここで国籍と書いてあるが実際は市民権(citizenship)と呼ばれることが多い。まぁ呼び方は違えど実際同じものよ。

僕は、2014年に自分の意思でカナダ国籍を取得したし、それを別に隠す必要もないうえ、ことさら日本国籍に固執する理由も義理もないし、なんだか面白そうなのでとっとと捨ててしまおうと思う。

肩の泥を払い落とすオバマ大統領

必要なもの。

  1. 国籍喪失届2通:日本国領事館で貰える。無料。
  2. 市民権証明書等の国籍取得証明書(原本):提出しないが一応見せる必要がある。
  3. 市民権証明書等の国籍取得証明書コピー2通
  4. 市民権証明書等の国籍取得証明書の和訳文2通:自分で和訳してよい。
  5. 遅延理由書2通:外国籍取得から3ヶ月以上経過した人が対象の反省文
  6. 日本のパスポート:ついでに失効させときたい。君はもう日本人じゃなくなるのだから。
床に並べた必要書類これら書類を揃えて、君の街にある日本国領事館に提出すればそれで終わり。離婚する方がよほど敷居高いのは一体何故か。

1. 国籍喪失届2通

国籍喪失届国籍喪失届。こんな紙切れ一枚で国籍が捨てられるなんと便利な世の中か。

まずは国籍喪失届。日本国領事館が隠し持っているはずなので窓口にて「国籍捨てるんで下さい!」と元気に頼もう。2通必要だがいっぱい間違えそうな君は多めに貰っておけ。
細かい書き方は領事館が「書き方の一例」みたいな用紙を持っているはずなのでそれも貰っておこう。
国籍を捨てる書類にしては冗談みたいにペラッペラだが渡された瞬間爆笑しないようにしたい。
この用紙に書くことはいうと、名前、住所、本籍と理由くらいのもん。こんなものを2通同じく書いて提出すれば晴れて外国人になれちゃうのだから世も末である。ちなみに印鑑持ってない人は拇印で充分。

2. 市民権証明書等の国籍取得証明書(原本)

Certificate of citizenshipと呼ばれるもの、この原本は当然提出する必要ないのだが、役人というものはやたらモノホンを見たがる人種なので彼らのためにも提出の際には持参してあげよう。

3. 市民権証明書等の国籍取得証明書コピー2通

上記2のコピー。2通必要。

4. 市民権証明書等の国籍取得証明書の和訳文2通

2の和訳文。これは自分で和訳したものでよい。市民権証明書はそんなに文面は多くないだろうから、まぁ自分で翻訳しても時間はかからないでしょう。がんばり。

5. 遅延理由書2通

大人が書く反省文。
これは全員が提出する必要はなく、僕のケースのように国籍喪失届の提出が外国籍取得から3ヶ月以上経っちゃったケースのみ。
というのも日本の法律では、戸籍等に変化があった場合、3ヶ月以内に日本に通知しなければならない*のだ。それ過ぎると戸籍法違反。正当な理由がないと5万円以下の過料*。

*戸籍法第四一条 外国に在る日本人が、その国の方式に従つて、届出事件に関する証書を作らせたときは、三箇月以内にその国に駐在する日本の大使、行使又は領事にその証書の謄本を提出しなければならない。
*第一三五条 正当な理由がなくて期間内にすべき届出又は申請をしない者は、五万円以下の過料に処する。

僕の場合は2014年に外国籍取得して2016年になって通知してるレベルなので、24ヶ月も遅延している。

しかしながらこんな状況でもこの遅延理由書に従って理由を述べれば、正当な理由が「ないとは言えないのではないか。」とポジティブに解釈してもらえる。日本政府はやっぱりプラス思考のできる子。

6. 日本のパスポート

無効になった日本のパスポートちょっとわかりづらいけどVOID(無効)と描かれた穴を開けてもらって失効となる。

どうせもう使えないんだから失効させとけ。

上記1〜6の書類をきっちり揃えて日本国領事館に提出すれば、こちら側でできることは完了。その後、これらの書類は領事館で点検を受けたのち問題なければ外務省に送られ更にそこから本籍地である市町村に送られて、そこで実際の事務手続きがなされるとのこと。
だから実際にちゃんと外国人になったのかなぁっていう最終確認は、ある程度待った後に本籍を置いている市町村に問い合わせるしかないのだろう。領事館は書類の受領から1ヶ月〜1ヶ月半ほどかかるのではと言っていた。こちら側としてはまぁ別に急ぐ理由もない。

これで君は晴れて正式に外国人だ。今後日本ではやたら日本語が流暢な外国人として扱われるが、いちいち驚いたり悲しんだりしないこと。

 
サングラスをかけた女性と男性沖縄は年中夏だな。うん。

実は2週間ほど前まで日本行ってたんだ。日本は7年ほど行ってなかったんで、色々すっかり忘れてて笑えた。
ところで日本人ってすっごく幼く見える。羽田空港に着いて税関の前に並んだ時は「子供が働いてる!」とヒヤリハッとしたものだ。そんくらい幼く見えるのはヒゲを伸ばさない文化、何となく皆サイズが小さいということを僕がすっかり忘れていたからか。

まぁ次の記事にでも詳しく書くわ。

読んでくれてありがとう。

したっけ。


カテゴリー:社会

イイねする?

コメント 3

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403

2018年 6月17日 7:50 AM

Kyoshinさん、知らない人からの突然の質問にこんなに長文で詳しく教えてくださって、本当にありがとうございます。ダメもと、と言ったら失礼ですがいきなりだし無茶だよね....と思いながら問い合わせたところを答えていただいて、感動しました。 すみません、前回、私は名無しのまま投稿してしまいました。○○ちゃんとか気の利いたニックネームも思いつかないので、私は403ということにしておいてください(味気ないけれど)。 同じ東洋人でも中国人はチマチマした陰湿なこだわりがないのに(列に並ぶことを知らない無神経さはあるかな)、日本人の特徴はただの島国根性だけでは説明がつかない特殊なものがあると思います。子供の頃から合わないと感じていて、多分個性が原因でいじめられていました。大人になってパワハラや年金の取り立てなど色々な圧迫が増えて、やっぱり自分はここには向いていないと実感するようになりました。Kyoshinさんにはもう関係のない世界になっていることかと思いますが、年金などもうほとんど取り立てのように強制的になってきています。私は収入が少ない分市民税など少なくされているほうですが、それでもこのままこの国に使われて(ごめんなさい良い表現を思いつかない)死んでいくのは嫌だと思いました。 私は日本の大学を中退して海外の大学に入ってそこを卒業しました。でも大卒だけで特別な資格は取れなかったし(看護師だったらビザ申請に有利だったのだけど)、現地で良い相手を見つけて結婚することもできなかったので、ビザが切れて日本に帰って来てしまいました。 海外のすべてが良いわけではなくて、日本にも長所はあります。以前Kyoshinさんがカナダの病院(そちらもNHS系なのですね)のことを書かれていましたが、確かに、無料の病院は患者の取り扱いが雑ですよね。私は留学先でGPにしかお世話にならなかったけれど、大きな病院で手術となってそんな扱いを受けたらとても不安になると思います。病院の設備の良さの他に日本の長所と言ったら、便利さもあります。チケット発券やメルカリの支払いもできるコンビニの多様性など、その便利さを実現させるために下で人が無理を通しているから本当は誇れたものではないのだけど....。医療設備の充実と生活の便利さを差し引いても、このままここで一生を終えるのはどうしても嫌だと思って国籍まで変えることを考えるようになりました。年金も受け取れなくなるかもしれないけれど(そもそも真面目に全部払って将来本当に返してもらえるのかな)、それでもできれば自分が移住した国で選挙権も持つくらい完全な市民になって骨を埋めたいんです。 ビザサポートのある企業に就職するのもほとんど不可能、現地就職も無理っぽい(大抵、募集要項には永住権をお持ちの方と書かれています)、ビザの出やすい不足職業リストに入っている職に就く為の留学は今の年齢と貯金では現実的でない....色々考えたら、縁がなくて一番非現実的だと思っていた国際結婚しか残っていなかった(笑) こんな私ですが、まずは永住権、いえその前に国際結婚ですね。いや、更にその前に縁を掴まなくてはいけない....という大変な道のりになると思うけれど、とにかくできることはみんなやって頑張ります。 顔も本名も知らない人の為に答えてくださって、ありがとうございます。

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Kyoshin

2018年 6月14日 7:04 PM

>名無しさん:なるほど、日本国籍を捨てたいとな。じゃその道のりを要約しましょう。ーーー 日本国籍を捨てるためには外国籍を取ることが絶対条件です。それしか日本国籍を放棄する手段は存在しません。(日本は国民に二つ以上の国籍を保持することを法で禁じているため。)その外国籍を取るためには永住権を取る必要があります。(国籍と永住権は別物です。)ほとんどの日本人にとっては第一段階であるこの永住権の取得が大変困難でしょう。日本国籍を捨てるどころか、この段階で多くの人の心が折れて無かったことにしてしまいます。なぜなら、条件にもよりますが数年かかることもザラだからです。ーーー 数年かけた努力が実り無事永住権を取得できたのなら、次は外国籍(厳密には市民権)の取得を目指せます。「目指す」と言うのも、ここからまた時間がかかるからです。例えばカナダだと、「永住権取得した後、きちんと税金を収めつつ3年以上居住すること。もちろん犯罪歴無しな。」なんてのがカナダ国籍(厳密にはカナダ市民権)を申請する条件だったりします。そう、永住権取得から3年経ったこの段階でもまだ国籍を「申請」する条件が整ったというだけなんです。3年待ち申請用紙を晴れてカナダ政府に送りつけてやったのなら、後は野となれ山となれなのですが、政府から全ての審査が終了するまで25ヶ月かかるとやんわり言われます。25ヶ月って要は2年です。ーーー その後2年間穏便に生活し、申請したこともすっかり忘れた頃になってようやく外国籍をもらえます。ここまで来るのにスーパーエリート日本人であったとしても最低5年はかかるでしょう。この段階になってようやく本題である「日本国籍の喪失(あなたが言う放棄)」のための手続きを始められます。ーーー ここで一番大事なことを教えなければなりません。というのも、日本国籍捨てようが保持しようが外国に住んでいる限り何も生活に変化はありません。マジで一切ありません。国籍を捨てた後でも、外国で学校やなんかに入学する際、日本の戸籍謄本の写しを提出することを要求されます。なぜならその国での出生証明書を持っていないからです。(そりゃそうだ、外国で産まれてないもん。)日本国籍捨てたんだから戸籍なんて抹消されてるだろうと思われるかもしれませんが、「外国籍取得のため戸籍から除外した。」という名目で戸籍が残っています。というわけで、いくら日本国籍捨てたからといっても、外国で何らかの手続きをする際に、こう言われるだけです。「出生証明書提出せぇや。何?持ってない?ああそうか、じゃあ…おめえさんが産まれたところの戸籍取ってこいや。なに、戸籍消しちゃった?でも「消した」って記録は残っとるはずやろ。それ取ってこいや。」そんなわけで、日本とのしがらみを断ちたくて国籍捨てても結局、戸籍を消したことでより手続きが煩雑になっただけで、面倒臭い状況に変化は訪れないのです。日本国籍を捨ててもなーんの変化もないのです。だから単に日本が嫌いで脱出したいだけであれば国籍を捨てる必要なんてありません。永住権さえ取得すれば永久に日本に行かなくて済むのですから、それで目的を果たしたも同然なのです。というわけで永住権取得を目指しましょう。指摘される通り、国際結婚が最短なのは間違いありません。

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名無しさん

2018年 6月12日 5:40 PM

はじめまして、おはようございます! 将来的に日本国籍を放棄したいのですが、それにはまず海外の自分が移住したい国の永住権を取らないといけない、という理解でよいでしょうか。わけあってどうしても日本を出てある国で一生を終えたいんです。もしどうしても無理で日本で死ぬことになったら、お墓には入らず海に散骨してもらって向こうへ行けたらなあと考えています。時々ビザサポートのある海外駐在員の仕事を募集していますが、ITエンジニアなど専門違いでとても手が届く感じではないですし、それに日本の会社に送られて向こうに行って何年かしたら引き戻されるみたいな扱いで、永住権取得とは言えないです....正直な所、もう国際結婚しかないでしょうか。それで永住権をまず取って、次はそこで永久市民になって日本国籍放棄という流れに持ち込むしかないのかと考えています。

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