引越しだ。面倒くせぇー。
この度、まぁ 8 月の頭に Kyoshin は引越しをすることになりました。
引越しって言ってもモントリオール市内での引越しなんで、まあ日本からみるとあんまり大した違いはないかな。
引越しの理由?
同棲していた彼女と別れたからさ。そういや 3 年前にも同じシチュエーションあったな(遠い目)。なんかもう慣れちゃった
現在僕が住んでいるところは、彼女が従来から住んでいたところを 2 年前に上がりこむような形で同棲を始めたので、関係が終わってしまった今回のような場合当然出て行くのは僕のほうだ。というわけで早急にアパート探さねばならぬ。
あれだ、過去にカナダの恋愛事情で書いた通り、ここカナダ、男女の関係は実に流動的だ。自分で書いたくせに全く油断しすぎた。前回のときは (3 年前に離婚)、何もしてないのに何で振られるの?って感じだったが、今回も同じパターンだ。そんで気付いた。
「何もしてない」のに、じゃなく「何もしてないから」振られるのだ
そーか。そーか。
思えば確かにここ 1 - 2 年はプログラミングの勉強と仕事の往復しかしてこなかった。暇さえあれば机に向かってキーボード叩いてたもの。それでも彼女と出かける機会は多数あったけど、勉強したいという理由で断ったのも多かったな。
勉強も一度始めるとやたら面白くてさ、もう途中でやめられなくなってた。僕は一つのものにハマると他のものを全て犠牲にしてのめり込んでしまう傾向があるんだ。
まぁいいや…。
アパート探し
というわけで、振られた 2 日後には、早速アパート探しを始めることに。ネットを使えば造作もない。 モントリオールに住んでいる人なら Kijiji(キジジ)という web サイトを使ったことがあるだろう。Kijiji とは職探し、中古車探し、不動産探しなど売り手と買い手を結びつける無料の web サービスだ。僕は過去に車を売った時も、仕事探しもこのサイト一つでやってきた。似たようなサイトである Craigslist(クレイグスリスト)と並んで、カナダ居住者にとってはまさに神のような web サービスなのである。
せっかくだから職場の近くに引越ししよう。今の所も悪くないが、交通状況により 30 分から最大 50 分くらいバスに揺られなければならぬ。どうせならもう少し短くしたいところ。部屋数は 1 ルームもしくは 2 ルーム。家賃は月 600 ドル(6 万円)以内に抑えたいところ。 実はモントリオール市内でも 1 ルームくらいならもっと最安値の 400 ドル(4 万円)台の物件も探すことができるのだが、そうなると地下鉄やバス等の公共交通機関へのアクセスが悪い物件ばかりになる。
僕は車を所有していないんで、地下鉄駅から近い物件が必要だ。その上、僕の勤務する会社に近いところとなると 500 - 600 ドルくらいが平均といったところである。
モントリオールの家賃マップ(Kyoshin の邪推も一部含まれています。)
1. ダウンタウン:クソ高い。繁華街は住むところではない。はなからパス。
2. Jean-Talon 周辺:地下鉄 Blue line 沿いはリーズナブルな傾向。Jean-Talon 駅から Acadie 駅にかけてなぜかインド及び中東系多し。この近辺は駅近くても安い物件も多数見られる。ただ汚いのも多い。
3. Plateau - Rosement 周辺:モントリオールらしい建物が並ぶ落ち着いた地域。安くもないが高くもない印象。ダウンタウンへのアクセスも良好で、かつ住宅街として成熟している。このなかで一番モントリオールに住んでるぞって気にさせてくれる地域かもしれない。 現在僕はこのあたりに住んでいるのだが、今回の引越しで職場に近づきたいんで今回パス。
4. Montreal-Nord 周辺:安い。汚い。ストリートギャングが多く治安悪し。てか会社からも地下鉄駅からも遠い。パス。
5. Saint-Laurent 周辺:高い物件多めだが比較的新しく綺麗な物件多し。僕の職場に近いのも魅力だ。ただ、これ以上近く(西)に行くと地下鉄や主要なバス停が遠くなり、今度はたまの買い物が面倒だ。というわけで、このあたりが僕にとっての西限界。小さい物件でもマトモなの見つけるとなると月 500 - 600 ドル(5, 6 万円)は覚悟の地域。今回この地域から探そうと思う。
カナダでのアパート探しはいたってシンプルだ。Kijiji で良さそうな物件を見つけるたびにバンバンメールを送れば良い。そうやって実際の部屋を見るため物件の管理人とアポをとるのだ。僕は一晩のうちに 7 - 8 件ほどメールした。これだけ送ればまぁ悪くても 1 - 3 件くらいは返事が返ってくるのだ。
7 月 23 日 (木)
翌日、朝一で携帯が鳴り早速 1 件目のアポがとれる。仕事帰りにその物件チェックしに行くことに。
この物件は Cote-Vertu という地下鉄駅から徒歩 10 分ちょいの距離だろうか。職場に比較的近いモントリオール西側だし、値段と中身が良ければ 1 件目のここでもいいなと思いながら歩く。何しろアポとって訪問してっていうプロセスがあまりに面倒臭いので正直とっとと決めたいのだ。
1 件目のアパートへ向け歩く。夕日が射し始めているが、時刻は夜 8 時をわずかに回ったところ。緯度の高いモントリオールではこの時期、夜 9 時頃まで明るい。
集合住宅系のビルディングが並ぶ地域をひたすら歩く。黒人系、ヒスパニック系の幼い子供達が誰の監視も受けずそこらかしらを無邪気に駆け回っている。白人の姿がほとんど見られなくなった。この地域の家賃はリーゾナブルであると推測できる。 僕は別に人種差別するわけではないが、その地域に住んでいる人種の割合がある程度家賃の判断材料になるのは事実だ。口にするのはタブーなので誰も言わないが。
最寄りの地下鉄駅から 15 分ほど歩いたのち到着。この分だとちょっと安くないとダメだな。
見学開始。
終了。
2 部屋(リビングルームとベッドルーム)と広さは十分なのだが、家賃が月 599 ドルと僕の設定する予算ぎりぎり。その上、給湯及び冬のヒーティングが家賃に含まれていないので、さらなる出費が予想される。(モントリオールでのこういった小型物件には Hotwater(台所やシャワーで使うお湯)や冬場のヒーティング代が家賃に含まれていることが多いのだ。)
「うーん、ちょっと考えさせてちょうだい。」と伝えて部屋を去るも、やっぱこの物件はパス。まだ 1 件目だし。
よく考えたら僕は 2 部屋も要らない。なんせ物が無いからね。天然のミニマリストだ。
7 月 24 日 (金)
この日も別のアパートとアポがとれたので仕事帰りに寄ってみる。昨日の物件よりずっと職場や地下鉄駅に近く、家賃も月 485 ドル(4 万 8000 円)と悪くない。
この辺はなぜかインド系の住人が多い。あたり一帯に充満する焼肉の匂い。アパートに向け立ちションするオッサン。安いの納得。
管理人である女性とアパート前で落ち合う。名前は Sarah(サラ)だ。気さくで明るいオバちゃんだ。自己紹介も軽く済ませて早速案内してもらう。
入り口のドアを開けたところ。お目当の物件は半地下(仏語で sous-sol と呼ばれる。)にある。半地下の物件にしては珍しく窓が大きめなので照明がなくとも十分明るい。
大きな冷蔵庫もコンロもきちんと備え付きである。一切の家電を持たない僕にはこういった物件が必要だ。洗濯物は共用のランドリールームがあるのでそこで済ませれば良い。
部屋のドアを開けた瞬間にほぼ全体が見渡せちゃう小さな物件である。それでも、アパートの外観から勝手に汚い部屋を想像していたのだが、思ったより綺麗で驚いた。
気に入った。
地下鉄駅 Namur から徒歩 5 分と近いのに、家賃は 485 ドル(4 万 8000 円)と手頃。
Hot water が家賃に含まれているんで年中お湯が使い放題だ。残る出費は純粋な電気代のみだが、管理人によると普通に使ってりゃ月 45 ドル(4,500 円)ほどとのこと。悪くない。
たった 2 件の訪問で決めちゃうのはちょっと早い気もするが、ここにした。管理人の Sarah も気さくで話してて楽しい。
ちょっとした与太話で盛り上がる。
「えー日本人なの?じゃあここで寿司作ったりしちゃう?グフフ。」
カナダに来た日本人なら年間平均 50 回くらいは聞かれる質問だ。
「Haha, 僕は外で食べるのが好きだな。」と適当に答えておく。
周辺を散策
Sarah に deposit(頭金)100 ドルを渡してとりあえずこの部屋を確保。正式な契約は来週することを約束してアパートを去る。
帰宅前にアパート周辺を軽く散策。この辺は地下鉄駅から近いこともあり、いろいろな商業施設が揃っていて生活に不便はなさそうだ。
Gibeau Orange Julep と呼ばれるファーストフードレストラン。結構繁盛してるようだ。小腹が空いた時はホットドックでも食べに来よう。
Walmart もすぐ近く。ここに来りゃリーズナブルな価格でほぼ何でも手に入る。こりゃ助かる。
7 月 27 日(月)
だらだら過ごしていたらもう月曜日になった。だりーけど仕事行くか。
Boss「おはよう Kyoshin, 週末少しは休めたか?」
僕「うん、とりあえず引っ越し先決めたよ。」カバンを床に投げつつぶっきらぼうに答える。(Boss は僕が彼女と別れてアパートを探していることを把握してます。)
-- しばしの雑談 --
なんだか頭がすっきりしないまま、自分のデスクについてキーボードを叩く。Thank god, どんな状況でも Mac さえ立ち上がれば僕は一瞬で仕事モードだ。幸か不幸かちょうど今は大事なプロジェクトの真っ只中。 うまくハマれば相当没頭できる。
katakatakata…bang bang bang…
昼もまわりそうなところで職場の電話が鳴る。
電話は Boss 宛で、僕の新居の管理人 Sarah からだった。そういえば Boss を勝手に Reference(保証人みたいなもの)にしたんだった。
(モントリオールでは、新居の契約をする際、入居先の管理人が新居者の素性を確認するために職場の上司や過去に住んでいたアパートの大家とコンタクトをとることがよくある。)
別室で電話を終えた Boss がニコニコして戻って来た。
「お前が半年前から勤務していること、勤勉な Hardcore 野郎で信頼出来る男だってことを、これでもかっていうほど吹き込んでやったぞ。ゲヘヘ。」
でかした。これであの部屋は僕のものだ。事前に何も言ってなかったのにあんたはデキる男だよ。
夕方 - 契約を交わすためもう一度アパートへ
その日、というかさっき、再び管理人と会ってきた。書面で正式な契約を交わし、あの部屋はこの 8 月から僕のものとなった。
Boss が一体何を吹き込んだのかは知らないが、彼女は相当僕のことを気に入ってくれてるようだった。
帰り際、僕があまり物を持たず今後色々買い足さなきゃならないことを知った Sarah は、小型のテーブル(ベッドの側で使うと便利だ。)と、折りたたみ式のダブルベッドを譲ってくれた。
「つまんないことでお金使うんじゃないわよ。」だって。助かるわ。
今後は鍵を譲り受けたり、Internet を引いたり、カーテンを買ったりマットレスを届けてもらったりと本格的な引っ越しまでいろいろやることがある。
まぁここが新たなスタート地点だ。これから荷物のパッキングがクソ面倒臭いけど、やることやらねば何も始まらないので諦めてやる。
それにしても、小豆相場より乱高下激しい Kyoshin の人生。カナダに来て以来一体何回スタート切ったことか。
まぁいいや。とりあえず健康です。
読んでくれてありがとう。
したっけ。