海外で散髪に行くことについて

海外で散髪に行くことについて

  • 社会

世界中の日本人の皆さんこんにちは。今日は散髪について書こうかな。 僕が日本にいた時は、転勤族だったせいもあるが、お気に入りの理髪店なんかを持たず結構いろいろな店を試していた。

一方、カナダに来て以来一つの店に決め込んで通うようにしている。

それはチャイナタウンの中にある格安店。中国人による中国人のための中国人による理髪店だ。客層のほとんどは中国人。そのためか当初、彼らはよく僕に中国語で話しかけてきたものだ。一見しただけじゃ区別つかないからな。

1. チャイナタウンで髪を切る理由

僕が髪を切るのにわざわざチャイナタウンまで出かける理由は、もちろん安いからというのもあるが、なんといっても彼らがアジア人だから。

アジア人はアジア人の髪の切り方を知っている。もちろんカナダ人理容師の中に我々の髪質について深い理解を持ち、かつスキルのある人はいる。しかしそうでない場合は白人に切らせてダメだ。

白人美容師は基本、客の髪を切りつつ如何ににボリュームを増やすかについてのスペシャリスト。彼らの髪質は細く柔らかいのでフニャフニャだ。 シャンプー&コンディショナーなんかのテレビ CM をみても、如何にふわっとしたボリュームを維持できるかを謳い文句にしている製品が多いことに驚く。

一方、一般的なアジア人の髪はというと彼らのそれと比べると硬く、太く、真っ直ぐだ。中国人を始めとするアジア系理髪師に求められるスキルの一つは、髪を切ることに加えしっかりとボリュームを落とすことだ。

言うに及ばず僕の髪も太く、硬く、真っ直ぐだ。だからこそ僕はチャイナタウンへ通う。髪型はテキトー。なんか安いし。カットだけなら 15 ドル(1500 円)だ。

2.「クオリティ」より「安さ」なチャイナタウン

ここモントリオールの片隅にちょこんと構えるチャイナタウンは、他の地域に比べ色々な品が安めの価格設定になっている謎仕様。もちろん理髪店だってそうだ。 カットだけなら 5 ドル(500 円)でやっている店すら過去にあった。窓ごしに覗くと、中年女性がテレビをがっつり見入ったたままバリカンでガンガン刈っていたので怖くて入るのをやめた。

ここでは切る側も切られる側も細かいことは気にしない。髪が短くなればそれで良いのだ。

3. クオリティを出来るだけ引き上げる

僕が通う店は税込 15 ドルと安めの価格ながら、チップを加えるとやはり 18 ドルくらいにはなる。チャイナタウンと言えどもここはカナダ、チップはしっかり払うべきだ。君自身のためにも。

チャイナタウンの住人は特に現金なもので、チップを多く払ってくれる客に対しては一生懸命仕事をしてくれるが、チップが少ないと分かるとあからさまに手を抜いてくる。少ないぞと怒ってくることだってある。

誰だって 1 日のうちで使える労力には限りがあるのだ。「どんな客にも対しても全力で尽くすのがプロ。」みたいな精神が蔓延しているのは僕の知る限り日本だけだ。

というのも、日本と違いここではリターン(お金)に見合うだけの投資(努力)をするのが正しい働き方だ。大したリターンが見込めないのにもかかわらず全ての努力を傾注するような働き方は、単に時間を切り売りしてる多くの従業員にとって必ずしも正しいことではない。 努力には限りがあるのだから、それに見合う客に多く配分しようではないか。

サービスを受ける側からすると、チップというシステムはその従業員の頭の中だけにある努力配分を操作できるツールなのだ。

サービスを受ける側として満足がいかないようならチップを多く渡すようにすれば良い。

この格安理髪店においても、最初はかなりラフな切り方だなぁと思っていたのだが、少し多めにチップを払うようにしてからは、ずっと時間をかけて丁寧にカットしてくれるようになった。 これからも「こいつはチップの払いがイイ。」という印象を与え続けさえすれば、この状態が続くのだろう。

したっけ。

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